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大杉谷森林鉄道 [③森林鉄道]

かつて三重県の宮川上流 大杉谷に森林鉄道が走っていました。

調べてみると、単に宮川沿いを走るのではなく、宮川上流の大杉谷から、尾鷲に近い別流域の船津へ、軌道・インクライン・索道をつないで木材を搬出した二十数キロに及ぶ一大プロジェクトだったようです。

ルートは、船津貯木場~(軌道)~柚ノ木~(2段インクライン)~水越峠~(軌道)~架線場~(大杉谷索道で宮川横断)~索道終点~(軌道:大杉谷上線)~(不動谷索道)~(軌道:不動谷線)

昭和6年に部分開通、昭和27~8年に全盛期、昭和33年に船津~架線場 間廃止、昭和49年頃全線廃止。

西裕之氏著「全国森林鉄道」を予備知識に、できれば大阪営林局管内の森林鉄道を調査された伊藤誠一氏著「林鉄の軌跡」を読んでから現地に行きたいと思っていたのですが、こちらは絶版で手に入りません。

まあ、とにかく一回行ってみるか・・・というわけで、国土地理院1:25,000地形図「引本浦」と、「大杉峡谷」を携え、青春18きっぷで朝6時に京都を出発しました。

↑よく停まる伊勢市行き各駅停車。アーバンライナーとの「並び」 津にて

 

 ↑よく停まる伊勢市行き各駅停車。阿漕で快速「みえ」と交換。

予定では船津へJRで行き、そこから歩こうと思っていたのですが、この日は3月初旬にしては寒風強く、車内で地図を眺めているうちに、目的地はけっこう深い谷であることもわかり予定変更! 

松阪でレンタカーを借りました。

レンタカー(トヨタist)にはカーナビが装備され、船津駅をセットしておけば、途中でどう脱線しようと常に船津駅までの最短ルートを表示し続けてくれました。車+地図情報+風よけカプセルで6千円は安い借り物です。

途中、阿曽で「エコミュージアムセンター」を発見しました。

中に入り、道路状況と森林鉄道について尋ねたところ、スタッフの方が親切に大杉谷まで電話をかけて調べてくれました。

船津から大杉谷へ抜けるルートは災害で通行不能、森林鉄道を知っている方はあいにくお留守でした。

12時過ぎ、船津駅に着き、近くのお年寄りに話を聞きました。

 ①船津駅南側の自動車学校が、昔の貯木場跡。

 ②森林鉄道は貯木場から、大河内川沿いを登った。

 ③途中にインクラインがあった。

 ④軌道跡は道路になっている。軌道跡は残っていないと思う。

森林鉄道のルートが銚子川沿いでないことがはっきりし、大河内川沿いを行くことにしました。

写真①船津駅 

↓跨線橋上から多気方面を眺める。右側の自動車学校が貯木場跡

  

写真②落合橋付近

ここは、大河内川支流の瀬場谷にかかる落合橋です。橋の下流側にコンクリート橋梁の残骸がありました。落合橋の架設は昭和39年、森林鉄道の廃止は昭和33年。森林鉄道の橋である可能性は高いと思います。

写真③河床上昇で枯れた森林

 台風災害の爪跡は大河内川流域もすさまじいもので、河床が土砂ですっかり埋まっていました。ここではヒノキ林が埋没し枯れていました。おそらく数メートルの土砂が新たに堆積したように思います。

写真④インクライン跡

 途中で車を置いて、林道を歩くこと30分、地形図から推測するとインクラインの位置はこの谷です。谷沿いの広葉樹と針葉樹の境界が直線的ですね。

ここで午後3時。そろそろ帰途につかないと、京都までたどり着けません。

松阪で車を返し、帰りの列車で軽く一杯・・・・。

青春18きっぷ+レンタカーの旅は、「濃い旅」になりました。

 

 


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