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温暖化防止と森林・林業 キーワード集 [①森林業]

植物は二酸化炭素を吸収して成長します。

樹木の幹は大気中の二酸化炭素を蓄積してできた固まりです。

樹木の集合体「森林」は炭素の貯蔵庫であり、木材は大気中の二酸化炭素を直接の原料につくられる重要な資源です。

木材を使うことは、原料=二酸化炭素、使用エネルギー=太陽エネルギーの素材を使って炭素を固定・保存することになります。

また、使い終えた木材や、使われずに山で腐るのを待つ「切り捨て間伐木」を石油・石炭代わりの燃料として使えば、その分化石燃料を掘り起こさずに済みます。

まずはキーワード集めからはじめます

1 地球温暖化防止

 GHG:温室効果ガス

 地球温暖化基本法【環境省プレスリリース概要条文(案

 京都府地球温暖化対策条例【概要条例

 カーボンオフセット:【環境省HP

 カーボンフットプリント:温室効果ガスの「見える化」運動です【CFP事務局

 2 森林の機能

京都府南丹広域振興局地域振興計画では、森林の機能と施策を対比させた表形式でまとめられています。

(2-1)物質生産機能=林業 

(2-2)生物多様性保全機能=

(2-3)地球環境保全機能 ← 地球温暖化防止はここ!

(2-4)土砂災害防止機能

(2-5)自然災害防止機能(土砂以外)

(2-6)土壌保全機能

(2-7)水源かん養機能

(2-8)快適環境形成機能

(2-9)保健・レクリエーション機能

(2-10)文化機能

3 森林・林業再生プラン

 森林・林業再生プランは2009年12月に農林水産省から発表されました。基本理念は

① 森林の有する多面的機能の持続的発揮

② 林業・木材産業の地域資源創造型産業への再生

③ 木材利用・エネルギー利用拡大による森林・林業の低炭素社会への貢献

の3つです。

目指すべき姿として、「10年後の木材自給率50%」が掲げられ、今後①林業経営技術の高度化 ②森林資源の活用 ③制度面での改革・予算 について検討する「森林・林業再生プラン推進本部」が農林水産省内に設置され、取組については検討委員会の議論をふまえ、順次対策を実行に移されます。

平成22年6月10日の「第二回森林・林業再生プラン推進本部」で、中間案が公表されました。

中間案の概要  中間案本文  スケジュール

これらの資料は、林野庁ホームページで公開されています。

 

 林業普及指導事業 

 概要 見直しについて(H15) EICネット

都道府県のホームページです。

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カーボン・オフセット [①森林業]

カーボン・オフセット carbon offset

1 カーボン・オフセットとは?

経済活動や生活で排出された温室効果ガスを、別の場所で行われる植林・クリーンエネルギー事業によって相殺するもの。

直接的なカーボン・オフセット:別の場所で二酸化炭素固定(植林、二酸化炭素固定技術)

間接的なカーボン・オフセット:クリーン開発メカニズム(CDM)等によって途上国の排出を先進国の削減技術で削減した分と相殺するもの。

あくまで「付け替え」で「削減」そのものではないため、やり方を間違うと何をやっているのかわからなくなるリスクあり。削減が進む仕組みとすることが重要。

2 カーボン・オフセットの取り組み事例

気候変動対策認証センター:J-VER制度

カーボン・オフセット推進ネットワーク(Co-net):民間企業同士の横のつながり

三菱UFJリース:カーボンオフセットのプラン設計と実行

3 森林・林業とカーボン・オフセット

鳥取県森林林業総室:鳥取県有林で621トンのCO2吸収量をJ-VER取得(2年分)

(株)日本オフセットデザイン創研:阪急摂津市駅のカーボン・ニュートラルを提供

 

 

 

 


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ようこそ森林へ メニューをご覧下さい [①森林業]

 

↑森から見る 街のむこうの森 街に接する森は多くの恵みを与えてくれる (京都)

  「森林はなぜ重要なんですか」 「森林にはどんな働きがあるんですか?」

このような森林系「そもそも論」の問いに答えることは、最初楽しく、終わってみればかなりゲッソリ、けっこうやりにくいものです。

時間をかけて「そもそも論」を話せば退屈を招き、いきなり話を絞り込めば「木を見て森を見ず」を演じてしまいます。

実はこの「やりにくさ」は、森林の現状と、森林の持つ多面的機能としっかり絡んでいるのです。

森林がレストランで、森で働く人をシェフとするなら、メニューが豊富なほど、またお客が来るほど、シェフははわかりやすいメニューを用意して客をお迎えしなければなりません。

ところが、元々社員食堂だったこのレストランにメニューはなかったのです。お客を迎えるならメニューを備えなければなりません。

メニューをごらんください

森林を理解するポイントは三つあります。

  1. 本来、森林は人に役立つ「はたらき」をいっぱい持っていること。
  2. いっぱいある「はたらき」は、一カ所の森林でも、いくつか同時に発揮できること。
  3. 森林の「はたらき」は万事、漢方薬のごとく「人に穏やかに」効くこと。

この3本柱を頭の中に据えて、聞き手に関心があり、わかりやすいと考えられる機能をメニューから探します。

メニューを開ける前に、およその区分を話す方がわかりやすいでしょ。「こちらのページはお食事、こっちはお飲物です」といったノリで。

  1. 物質生産機能
  2. 公益的機能

に分けると、わかりやすいでしょう。

物質生産機能は、森の産物をgetすることで、木材生産、山菜・きのこ、さらには森で育った動物も含みます。水と空気は含みません。

公益的機能は、「モノ」ではなく、安心、安全、やすらぎ、学びのように「心」でgetするものです。但し水と空気を含みます。

公益的機能はさらに細かく分かれます。

  • 生物多様性保全
  • 地球環境保全
  • 土砂災害保全
  • 水源涵養
  • 快適環境形成
  • 保健・レクリエーション
  • 文化機能

メニューはもう少し細分化します。

MENU 

日本学術会議の答申、「森林の有する多面的機能」(林野庁HP)

としてメニューが示されています。これが標準メニューです。

一店一店のレストランに異なるメニューがあるのと同様に、それぞれの森にそこだけのメニューがある方がいいのですが、今は標準メニューが示されたところです。

まだ、「シェフのおすすめ」も入っていません。その先に話し合いが必要です。

自分が関心を持っていることはコレ、森に期待することはこの部分というように整理して話が始まれば、話も深まりブレません。

従来、この区分が学識者の間でも「まちまち」だったので、入口でいきなりdeepな議論になり、もうその時点で専門家以外の人々はついていけなくなってしまうのでした。そこで平成13年、「日本学術会議の答申」として権威をもって整理され、このメニューが世に示されました。

さて、メニューを通じて、聞きたいこと、話すことが決まれば、あとはもうプロの腕の見せ所です。得意分野は雄弁に、手薄なところはそれなりに、手に負えないところは詳しい人を紹介し・・・・。とにかくプロはプロであり、お客様は神様なのです。

 社員食堂からレストランへ

森林の位置付けは「木材生産工場」から「木材生産機能も含めた国民みんなの財産」にシフトしつつあります。シフトと言っても決してすべてが代わるのではなく、(前述「ポイント1、2、3」参照)、本当に変わるのはごく一部と思います。

この変化は、大きな工場の社員食堂のひとつを、見学者向けのレストランに変えるようなものでしょうか。社員もさりげなく利用でき、メニューは豊富になった。来場者も楽しいし、社員も楽しい!お客様の前では緊張するなあ、と社員が思った時は、もうひとつの社員食堂に行く・・・・。

森林ファンが増えれば森林は楽しい世界になります。

鉄道ファンがいなければ、鉄道はバスやトラックと同様の1輸送システムでしかなかったでしょう。

社会的共通資本は、ファンがいるといないで大違いです。

森林も鉄道も社会的共通資本です。森林は関係者が一丸となって、もっとファンを増やしましょう。

 

 

 


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「極端」からの脱却:市民参加の森づくり その大きな役割 [①森林業]

京都市左京区の大文字山周辺では、国有林、京都市、地元市民団体、社寺等の関係者が連携して森づくり活動に取り組んでいます。
  この一帯は私の子供時代の遊び場で、40年近く親しんだ山でもあ ります。 その頃の大文字山は、麓は今と同じように暗く、山の上はもっと明るかったと思います。シイ林の整備が行われたエリアは、地元関係者、専門家の意見をまとめた結果、ごく狭い範囲であったものの、「ここは手を付けずに残したい」「ここは拡大を防ぎたい」という意向がはっきりしました。残したいエリアは昔から暗い森だった所でした。こうした意向のベ ースにあるものは、「科学性」、「昔の記憶」、「歴史」、「信仰」などであると思い ます。
 プロでなければできない作業、市民参加の森づくり作業が向いている作業があることがわかりました。例えば伐採はプロの仕事ですが、伐採後の萌芽処理は、剪定ばさみを使 ってできる楽しい冬の作業でした。

        ↑ シイノキ伐根からの萌芽
 次なる課題は、残材の有効利用です。昨年12月に、森林バイオマスの利用を考えるイ ベントが開催され、関係者の範囲が利用の分野まで一気に広がることを体感しました。
 森は多少のわがままには答えてくれます。極端がいけないのです。極端な伐採が過去の森林災害を、極端な放置が現在の環境問題につながっているのだと思います。
 市民が森に関心を持ち、議論を行いながら手を入れ続けてゆくことは人にとっても、森にとっても大変良いことだと思います。 
   1)大学、試験研究機関など経験・知識ある人の意見を聞き、
   2)関係者がよく話し合い、
   3)意見を融合して「妥協点」を求め、
   4)実行することが
地域にとって最高の森づくりだと思います。
2006.5.19 シイノキシンポジウムから思うこと


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